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医院開業 Q&A

診療所開業前後に届け出が必要な各種の手続きについて、教えて下さい。

先輩の医師から「医療機器はリースが楽でいいよ」とアドバイスされました。 この点はどう思われますか?

開院が近づいてきました。市域住民の方々に診療所を是非とも覚えていきたいのですが、 どのような方法でPRしていけばよいでしょうか?

開業に当たっては、とにかく優秀な人材を確保したいと考えてます。 募集方法には、どのような手段がありますか?

スタッフの面接ですが、面接をした経験がないので、面接の仕方、採用の判断基準がわかりません。 どのうようにしたらよいのか教えて下さい。

先日作成した事業計画書を持って、今度金融機関へ融資の依頼に行こうと考えています。 交渉に当たり、何か留意する点はありますか?

開業予定地の地主さんが、当初土地を売ってもらえるとの話だったのですが、「当面は資金が大変だろうから借地でも立て直しでもいいよ」と言っています。 どちらにすればいよいのでしょうか?

開業後のことを考えると心配にります。 設備投資はどのくらいまでかけてもいいのでしょうか? また資金はどの程度持っていなければならないのでしょうか? 事業計画の立て方にこついて教えてください。

開業に向けて取り組んでいくときに、一番重要なことは何でしょうか?

不動産屋と一緒に開業場所を探していて、いくつか候補地が見つかりました。 しかし、実際にどこで開業すべきなのか悩んでます。 アドバイスを下さい。

開業には何を、どのようにスケジュールで準備していけばいいですか?

私はもうすぐ40歳になるのですが、同僚たちも開業するようになり、「そろそろ自分も…」と考え始めています。しかし、正直なところ、開業しても大丈夫か、やっていけるのかどうか不安です。診療所開業の現状について、教えてください。

Q

診療所開業前後に届け出が必要な各種の手続きについて、教えて下さい。

A

個人の診療所を前提にすれば、診療所開開業前後の手統きとしては、次のようなものがあります。 整理してみましょう。

【医療法・各種指定関係】
・診療所開設届(診療開始後10日以内に保健所に届出)
・診療所使用許可申請書(有床診療所の場合)
・診療用工ックス線装置設置届
・保険医療機関指定申請書(事前提出・「指定日」に注意)
・生活保護、結核、労災など各種指定申請 ほか
【労務関係】
・労働保険 保険関係成立届(労働基揮監督署)
・労働保険 概算保険料申請書(同)
・適用事業報告(同)
・雇用保険適用事業所設置届(公共職業安定所)
・雇用保険被保険者資格取得届(同)
・健康保験・厚生年金保険 新規適用届(社保加入の場合・社会保険事務所)
・被保険者資格取得届・被扶養者届(同) ほか
【税務関係】
1、必ず提出する書類
・個人事業の開廃業等届出書(税務所)
・地方公共団体への事業開始等の届出書(県・市町村)
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(税務署)
2、関連して提出する書類
・所得税の青色申請承認申請書
・青色事業専従者給与に関する届け出・変更届出書
・所得税のたな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書)
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 ほかページTOPへ

Q

先輩の医師から「医療機器はリースが楽でいいよ」とアドバイスされました。 この点はどう思われますか?

A

リースとは、医療機器や設備などをいったんリース会社が購入して、 これを医療機関に賃貸するものです。特に担保が不足して十分な借入れができない場合に、 それを補う手段としてリースを検討することが多いように見受けられます。 メリットとデメリットとしては、次のようなことが考えられます。

■リースのメリット
1、担保や保証人が不要で、借入れより手続きが簡単
2、リース料は毎月一定額で、コスト管理が容易
3、減価償却費の計算や資産税・保険料の支払いが原則不要
■リースのデメリット
1、中途解約ができず、最後まで支払い続ける必要がある
2、一般にリース期間は短く、据置期間もないため、新規開業時には資金繰りを圧迫する可能性がある
3、特別償却などの税法上の恩恵を受けられない

担保が不要であり、計算が簡単で分かりやすいという点では、リースは非常に便利な制度です。
しかし、その一方で、安易にリースに頼りすぎると、毎月のリース料負担が経営を圧迫することにもなりかねません。
ですから、必要な医療機器、設備等が何かを慎重に見極めた上で、金融機関の担当枠等を考慮に入れながら、部分的にリースを活用するのがよいのでほないでしょうか。
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Q

開院が近づいてきました。市域住民の方々に診療所を是非とも覚えていきたいのですが、 どのような方法でPRしていけばよいでしょうか?

A

開業後の集患のためには、まず診療所の存在を知ってもらわなけれぱどうしようもありません。 その意昧では、PRは大切なプロセスです。 最近では、都市部を中心に、開業時の広告に多額の費用をかける事例が増えています。 なかには、500万円から1,000万円もかける入もいるようです。 広告にそれだけの費用をかけることが相応しいかどうかは個々のケースで違ってきますが、 将来の集患のためには、適切な広報戦略の立案が必要です。 広告媒体としては、下表に掲げるようなものがありますが、診療断のロゴやデザインなどを統一して、

 看板 駅、電柱等に大量に配置することで、地域住民の目に付きやすく、一定の効果が効いたい出来る。
 折り込み広告 費用はかかるが、訴求力が大きい。ただし、広告規制に十分に配慮する必要がある。
 ポスティング 配布エリアを自由に設定出来る。内覧会とセットで行うのが効果的と言われている。
 電話帳 特殊な診療科の場合。ただし。締切等に注意して、早めに申し込む必要がある。
テレビ・ラジオ 訴求力は大きいが、通常は実施されない。
内覧会 地域住民を招くことで、親近感を持ってもらえるなどのメリットがある。最近実施する例が増えている。
ホームページ 原則として広告規制の範囲外で、記載内容が自由であるため、中身の濃い広報が可能。その反面、即効性に乏しい。
アンケート調査 地域のニーズを知ると同時に、診療所の認知の上でも有効。

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Q

開業に当たっては、とにかく優秀な人材を確保したいと考えてます。 募集方法には、どのような手段がありますか?

A

かつては、「従業員なんてだれでも同じ。全員パートで、安くて使いやすいほうが良い」と いうような風潮もありましたが、今やスタッフは診療所の顔とも言えるでしょう。 スタッフの優劣が開業の成否を決めていると言っても過言ではありません。 その点では、優秀なスタッフを確保し、長期的に「育てていく」姿勢が必要だと思います。 スタッフの人数は、有床診療所や特殊な診療を考える場合には、看護師、技師、給食従事者など、 スタッフのしかるべき配置が求められますが、一般の無床診療所であれば、数人の看護師と数人の 事務・看護助手が

【スタッフの募集方法】

1、公共職業安定所(ハローワーク)
無料だが、専門職の採用は難しい。

2、求人誌・新聞広告
若い層には効果があるが、掲載費用が高い。

3、折り込みチラシ
こちらも費用はかかるが、主婦層などに一定の効果が期待できる。

4、ナースバンク
各都道府県の看護協会が運営するナースセンターが実施。優秀な人材が見つかる可能性もある。

5、看護学校・専門学校
所定の書式に所要項目を記載して登録。開業時の人材募集にはあまり向いていない。

6、人脈・引き抜き
勤務先の病院の看護師を引き抜く場合や知り合いに紹介してもらう場合など、
その個人の能力や性格があらかじめ知る事が出来るので、失敗するリスクが少ない。
給料が高りがちなどの問題点はある。
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Q

スタッフの面接ですが、面接をした経験がないので、面接の仕方、採用の判断基準がわかりません。 どのうようにしたらよいのか教えて下さい。

A

医療現場では、面接だけではなく採用を決めいている例も多いようですが、最近では小論文をかかせたり、 性格診断テストを実施する例も増えているようです。 特に性格診断テストは、10~20分程度という面接時間の中で、少しでも客観的に応募者の人となりを見るには大変有効なツールです。

[具体的な選考ポイント]

1、まず、第一に履歴書をしっかり見て、その方の経験や長所短所を把握します。
また、記入漏れや誤字脱字が目立つ場合には、注意です。

2、面接はなるべく客観的な判断を得る為に、評価シートを作成しておくこと、
そして複数の面接者で行うのがベターです。1つひとつ質問をしながら、
性格、仕事に対する姿勢、医療現場における適正、これまでの経歴等を把握するようにします。

3、また、面接の際には、こちらの希望する人材像や開業に向けて経営理念を伝えましょう。
そてに、共感できるかどうかは、非常に重要な選考ポイントになります。

4、最近増えてきいるのは、開業後に給与や休日などの待遇面において、
スタッフから「こんなはずじゃなかっかた」と苦情がでる例が見受けられます。
そうならないためにも、応募者から待遇面の質問を受け付け、ある程度話し合うようにします。

重要なのは、人数や年齢構成、能力や性格など、どのような人材が欲しいのかを事前に明確にしておくことです。

Q

先日作成した事業計画書を持って、今度金融機関へ融資の依頼に行こうと考えています。 交渉に当たり、何か留意する点はありますか?

A

まず、一口に金融機関と言っても、地方銀行や信用金庫だけでなく、国民金融公庫、社会福祉医療事業団などの 公的融資も見逃すことはできません

種々の制約はあるものの、ごれら公的融資は返済期間が長い上に固定金利の場合が多く、
現在のような低金利時代には有利な選択肢だと言えるかも知れません。
民間金融機関も一行のみでなく、数行を訪問して、幅広い選択肢の中から慎重に判断することをおススメします。

金融機関との交渉に当たり、次の点に留意しましょう。
1、借入れに関する基礎知識を身につけておく固定金利と変動金利、元金均等と元利均等、
人的担保と物的担保等の基礎知識を一通り理解しておきましょう。

2、長期と短月のバランスを考える
返済期間は長ければ長いほどよいというものではなく、「設備投資のための資金は長期で、迅転賢金は短期で」というように
、長期・短期のバランスを考えた資金計画を立てること。

3、長期借入れには担保や保証人が必要
不動産に対する抵当権など十分な担保を確保しておきたい。

4、誠実な態度で、経営姿勢を明確に
金融期間との交渉には、院長の人柄と診療所経営に向かうビジョンと熱意を理解してもらうように誠実な態度で臨みましょう。

5、事業計画の提出と説明が不可欠
厳しい融資情勢の中で、事業計画を撮出し、事業としての将来性があることを納得してもらうことが
不可欠。経営者として、事業計画を説明できる基礎的な財務知識は身につけておきたい。

6、金融期間の選別基準
融資条件は言うまでもないが、通常借入先がメインの取引銀行となるため、開業予定地の近くにあること、安全性に間題がないことなども選別基準となる。

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Q

開業予定地の地主さんが、当初土地を売ってもらえるとの話だったのですが、「当面は資金が大変だろうから借地でも立て直しでもいいよ」と言っています。 どちらにすればいよいのでしょうか?

A

以前は、開業といえば「自己所有地もしくは借地に戸建て」というのが一般的でした

ですが、最近では都市部を中心に「ビル診」、「借地」「建て貸し(リースパック)」、「医療ビル」などの開業形態が増えてきています。

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開業後のことを考えると心配にります。 設備投資はどのくらいまでかけてもいいのでしょうか? また資金はどの程度持っていなければならないのでしょうか? 事業計画の立て方にこついて教えてください。

A

まず設備投資と必要資金額から考えていきましょう。 開業に向けて必要な投資には次のようなものが考えられます。

1、土地購入資金
・付随する費用として、整地造成費用、測量費等も必要
・借地の場合には保証金や権利金、事前の賃料等が必要になる

2、建物建築賢用
・当初は建築業者等の見積りによる。排水・電気設備等の付帯工事費、外構工事等の別途工事費、設計監理料についても把握しておくこと
・ビル診の場合には保証金と内装工事費が必要

3、租税公課
・土地建物購入時の不動産取得税・登録免許税、契約時の印紙代等

4、医療機器・備品等購入費
・必要な医療機器かどうかを慎重に見極めること。
・見積りは一社だけに限定せず、価格以外の条件面も考慮に入れて判断すること

5、業務用システムの購入
・レセプト、電子カルテ等のコンピュータ・システム

6、医師会入会金
・地域の医師会により金額が異なる。詳しくは地元医師会に相談

7、広告宣伝費
・開院案内やチラシ費用、看板代、開院披露パーティー代等

8、その他
 ・消耗品・薬袋・カルテ等購入費用、開設までの借入金利息や人件費、当初薬品・材料購入費、保険料、コンサルタント費用他

これらに加えて、忘れてならないのは「運転資金」です。

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開業に向けて取り組んでいくときに、一番重要なことは何でしょうか?

A

次の3つのことが重要な点となります。

1つ目は、決意です。先ほども申し上げた通り、開業医の現状は決して甘いものではありません。
必ず成功させるという意志と、開業してどのような医療を患者さんに提供していきたいのか、
という明確なビジョンを持って開業に向かうことです。

2つ目は、ご家族を始めとする周囲の方々の同意と協力が必要です。開業は医師一人でできるものではありませんから、
よく周囲の方と相談して、協力を得ながら取り組んでいくことが重要です。

最後に、信頼できるパートナーを選ぶことです。開業には様々なプロセスと手統きがありますから、
専門家のサポートが必要です。開業前だけでなく、開業後もずっと付き合っていける、パートナーを選ぶ事です。

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不動産屋と一緒に開業場所を探していて、いくつか候補地が見つかりました。
しかし、実際にどこで開業すべきなのか悩んでます。 アドバイスを下さい。

A

一般には、次のような場所が開業適地だと言われています。

1、人が多い場所
住宅街などの人口の多い地域、オフィス街や商店街などの人が集まる地域、人や車の交適震の多い場所など
2、活気があり、将来性のある地域
3、現在の勤務先の近く
現在診察している患者が多く、来院が可能であること。演診連携もしやすいなど
4、競合となる医療機関が少ない地域
5、出身地など知り合いや親戚の多い地域
6、土地の広さ、用途などが開業に適している
開業が決まったら、地図を片手に、とにかくその地域をご自身で歩いてみることをお勧めします。

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開業には何を、どのようにスケジュールで準備していけばいいですか?

A

開業のプロセスとしては、一般的には「ヒト」、「モノ」、「カネ」の3つを整えていくプロセス

3つを整えていくプロセス、と認織していただくと分かりやすいでしょう。
「ヒト」とは、診療所スタッフと患者さんです。スタッフの良し悪しが診療所の開業の成否を決めると言っても過言ではありません。
優秀な人材を選び、育てていくことがより重要になってきています。
「モノ」とは、診療所の土地や建物、医療機器、備品等のことです。
そして「カネ」とは、言うまでもなく開業資金です。この開業資金を、自己資金あるいは金融機関からの借入れによって調達する必要があります。
さらに、これらに付随して、医療法をはじめ、建築法や税務・労務面などの各種の手続きが必要となります。

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私はもうすぐ40歳になるのですが、同僚たちも開業するようになり、 「そろそろ自分も…」と考え始めています。 しかし、正直なところ、開業しても大丈夫か、やっていけるのかどうか不安です。 診療所開業の現状について、教えてください。

A

地域や診療科によって格差がありますが、近年、開業は確実に増えています。

原生労働省の調査によれば、全国の一般診療所の数は、この10年あまりで約15%ほど増加し、
およそ9万5千件となっています。
しかし、それに比例して診療所の患者数も増えているかというと、こちらは必ずしも増えているわけではありません。
言うなれば「パイの奪い合い」という状況が起こっているのです。
加えて、平成14年4月から診療報酬マイナス改定、平成15年4月からの社保本人3割負担といった
制度改革、平成18年4月からの診療報酬抜本改定は、診療所経営に非常に大きな影響を与えつつあります。
だからといって、すぺての診療所が減収を余儀なくされているかというと、決してそうではありません。
確実に患者数を伸ばし、成功しているところも少なくありません。
つまり、「明」と「暗」の二極分化、「勝ち組み」と「負け組」がはっきりしてきたということが言えるでしょう。

明確なビジョンを持って、開業に向けしっかりと準備しておけば、診療所開業はきっと成功します。
逆に、中途半端な気持ちでは開業は成功しません。
そのことをよく認識した上で、鬨業を前向きに考えてみてください。

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