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医院経営 Q&A

当クリニックは、父である先代院長が開設していた内科クリニックを承継して、約6年が経ちました。1日当たり患者数は50名程度です。今期は所得が若干減少しましたが、これまで経営は比較的順調に推移してきたと思います。遠藤先生は、今回の決算報告会でも「経営改善が必要」と話されますが、どうして経営改善が必要なのでしょうか?

Q

当クリニックは、父である先代院長が開設していた内科クリニックを承継して、約6年が経ちました。1日当たり患者数は50名程度です。今期は所得が若干減少しましたが、これまで経営は比較的順調に推移してきたと思います。遠藤先生は、今回の決算報告会でも「経営改善が必要」と話されますが、どうして経営改善が必要なのでしょうか?

A

1.医療を取り巻く経営環境はますます厳しさを増しています。
これまで経営が順調であったからといって、これからも順調に推移するという保証はありません。
むしろ、医業経営は今後ますます厳しさを増していくことが予想されます。
病院施設数は、この10年間ほど減少傾向にありますが、一般診療所数は一貫して増加傾向にあり、毎年約1,000件ずつ増加しています。
 その一方で、外来患者数は減少傾向を示しています。患者の大病院志向に加えて、最近の減少は患者の自己負担の増加や薬剤の長期投与に伴う「受診抑制」動きであると考えられます。
2.クリニックは減収を余儀なくされています。
医療施設数が増える一方で、外来患者数が減っているのですから、その影響は不可避です。
今は、かつてのように開業すれば自然と患者さんが集まってくる時代ではなく、患者さんに選別される時代です。
「開業ラッシュ」がまだ当面続くと考えられる中で、何も手を打たずにいれば、患者さんはどんどん離れていってしまいかねません。
その上、診療報酬改定においては、近年マイナス傾向にある中で、多くのクリニックでは減収を余儀なくされています。
3.「経営改善」と「経営体質の強化」が不可欠です。

医療が一層複雑化・専門家する中で、コストの削減も容易ではありません。
例えば、今期収入が1割下がったからといって、スタッフの給料を1割下げるというようなことができるでしょうか?
収入の減少に合わせて、人件費を削減することも困難ですし、医療水準の向上のためには、高い医療器械も購入しなければなりません。

 

以上のような背景を踏まえて、今から経営改善に努めることが重要なのです。

 

「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」という言葉がありますが、適切な医療を行っていくためには、経営が健全でなくてはなりません。
つまり、絶え間ない「経営改善」の努力によって、経営の健全化、経営体質の強化を図ることが、クリニックの存続・発展と理想の医療の実現のためには不可欠であると言えます。

4.経営改善のためには「会計データ」による現状分析が必要です。

経営改善のためには、まずクリニックの現状についての正しい分析と判断が必要です。
 先生も、患者さんに治療したり処方したりする前に、まず検査をしたり、患者さんから症状をよく聞いてから、診断を下すのではないでしょうか。
それと同じように、クリニックの現状を把握・分析し、経営上の問題点がどこにあるのか、なぜそのような問題が生じるのかを判断することから始めましょう。

この現状分析のためには、決算書を始めとする会計データの活用が有効です。

決算書及び会計データは、単に税務署に提出するためだけに作成されているものではなく、一見難しそうに見えるクリニックの経営実態を、数字によって極めて明快に映し出そうとする鏡のようなものです。

5.2つの視点―「時系列分析」と「相対比較分析」

会計データの分析といっても、特に難しいことを行うわけではありません。
決算書を構成要素別に分解した上で、次の2つの視点から眺めてみましょう。

①前年と比べて増えたのか減ったのか?(時系列分析)

②同一診療科同規模の診療所と比較して多いのか少ないのか?(相対比較分析)

ところで、同一診療科同規模の診療所との比較といっても、どこか特定のクリニックの会計データと比較するというわけではありません。TKCでは、毎年多数の医療機関の財務データを分析し、『TKC医業経営指標(M-BAST)』という統計資料をまとめていますので、先生のクリニックと同じ診療科目、同じ規模の診療所の全国平均値と比較できます。

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