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医療法人設立 Q&A

1.一人医師医療法人の設立を検討したほうが良いのはどのような場合ですか。また留意点についても教えてください。

2.現在、勤務医ですが、独立開業と同時に一人医師医療法人としてスタートすることは可能ですか?

3.一人医師医療法人化にあたって、2か月以上の運転資金が必要とされていると聞きましたが、なぜですか?

4.診療所の土地は自己の所有ではありませんが、一人医師医療法人の設立に影響はありませんか?

Q

1.一人医師医療法人の設立を検討したほうが良いのはどのような場合ですか。また留意点についても教えてください。

A

A1 一人医師医療法人にすることによって、社会的信用が得られる、経営体質を強化できるなどが考えられます。したがって社会的信用を高めたいと考えている、事業承継を考えている、事業展開を考えている、節税効果を期待しているといった方は一人医師医療法人の設立を検討しましょう。

☆一人医師医療法化した場合のメリットと留意点

メリット(1)社会的信用が高まります
①法人会計を採用することで、適正な財務管理ができます。
②金融機関等への対外的信用が向上します。
(2)事業承継がすすめやすくなります
①基金拠出額が拠出者の財産評価額になりますので、事業承継、相続税対策等を計画的にすすめやすくなります。
(3)事業の展開が図れます
①分院や介護保険事業等への進出が可能になります。
②有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅の開設も可能になります。
(4)節税効果が期待できます
①所得税の「超過累進税率」から法人税の「2段階比例税率」を適用することにより、税負担を軽減することが可能です。
②院長先生のほかに院長夫人等の家族を役員にすることで、その職務に応じた役員報酬の支払いができ、効果的な所得の分散が図れます。
③役員の退職時に役員退職金を受け取ることができます。
④一定の契約条件を満たした生命保険契約や損害保険契約等の保険料を経費(損金)にすることができます。
<留意点>(4)節税効果が期待できます
①医療法人の附帯業務について、業務範囲が制限されています。
②剰余金の配当禁止規定等によって、剰余金が内部留保されます。
③医師個人は、原則として役員報酬を受け取ることになり、役員報酬以外の自由に処分できる資金がなくなります。
④社会保険が強制適用となり、役員及び従業員は健康保険・厚生年金に加入しなくてはなりません(一定の手続きにより、医師国保を継続することも可能です)。
④社会保険が強制適用となり、役員及び従業員は健康保険・厚生年金に加入しなくてはなりません(一定の手続きにより、医師国保を継続することも可能です)。
⑤法務局に役員変更等の登記や都道府県知事に事業報告書等の提出が義務づけられます。また都道府県知事に提出された事業報告書は一般の人でも閲覧可能になります。
⑥都道府県知事による立ち入り検査等の指導が強化されます。
⑦特別な理由がない限り、安易に解散することができなくなります。
⑧医療法人が解散した場合、残余財産の帰属先が国、地方公共団体、財団医療法人、持ち分の定めのない社団医療法人等に制限され、個人が受け取ることはできません。
(2)税務上の注意点
①交際費として、損金に算入できる金額に限度が設けられています。
②個人で掛けていた小規模企業共済は、原則として脱退しなくてはなりません。ページTOPへ

Q

2.現在、勤務医ですが、独立開業と同時に一人医師医療法人としてスタートすることは可能ですか?

A

A2.医療法人の設立認可においては、個人事業としての実績は求められておらず、独立開業と同時に医療法人として診療所をスタートすることは可能です。

従来より、医療法上は個人事業としての実績に関する規定は設けられておらず、また第5次医療法改正に基づく厚生労働省健康政策局長通知(平成19年3月30日医政発第0330049号)においても、「6.医療法人の資産要件の見直しについて」で「医療法人の設立を認可するに当たって、一定期間の医療施設の経営実績を要件とすることは望ましくないこと」と明示されています。ページTOPへ

Q

3.一人医師医療法人化にあたって、2か月以上の運転資金が必要とされていると聞きましたが、なぜですか?

A

A3.保険医療機関である診療所等では、保険診療収入は窓口収入を除いておよそ2か月後にならないと入金されません。つまり、2か月間は入金がないとみなして運転資金を確保しておく必要があります。

厚生労働省健康政策局長通知(平成19年3月30日医政発第0330049号)の「6.医療法人の資産要件の見直しについて」において、「なお、新たに医療施設を開設するために医療法人を設立する場合には、2か月以上の運転資金を有していることが望ましいこと」とされています。

!ここがポイント
「医療法人の設立に際して、現物拠出又は寄付すべき財産が医療法人に不可欠のものであるときは、その財産の取得又は拡充のために生じた負債は、当該医療法人の負債として取り扱って差支えないこと。ただし、負債が財産の従前の所有者が当然負うべきもの又は医療法人の健全な管理運営に支障をきたすおそれのあるものである場合には、医療法人の負債として認めることは適当ではないので、設立の認可に当たっては十分に留意されたいこと」と、前出の厚生労働省健康政策局長通知にあるように、運営実態に合った財産内容であることが実質的な資産要件になっています。

“運営実態に合った財産内容”などの具体的な基準については、弊事務所へご相談ください。ページTOPへ

Q

4.診療所の土地は自己の所有ではありませんが、一人医師医療法人の設立に影響はありませんか?

A

A4.医療法人の土地、建物等については、医療法第41条1項で「医療法人は、その業務を行うに必要な資産を有しなければならない」とされていますが、厚生労働省健康政策局長通知(平成19年3月30日医政発第0330049号)によると、「医療法人の施設又は設備は医療法人が所有するものであることが望ましいが、賃貸借契約による場合でも当該契約が長期間にわたるもので、かつ、確実なものであると認められる場合には、その設立を許可して差支えないこと」としています。ちなみに、契約期間は医業経営の継続性の観点から10年以上であることが望ましいとされています。

!ここがポイント
土地、建物を医療法人の理事長またはその親族等以外の第3者から賃貸する場合には、当然土地、建物について賃貸借登記をすることが望ましいとされています。この場合においても、借地借家法(平成3年法律第90号)に基づき、“土地、建物の所有権を取得した者に対する対抗要件を具備した場合”は、賃貸借登記がなくても、当該土地、建物の賃貸借を認めても差し支えないこととされています。
 なお、賃貸料については、近隣の土地、建物等の賃貸料と比較して著しく高額なものである場合には、医療法第54条(剰余金配当の禁止)の規定に抵触するおそれがあります。
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